大きな声で話すとすぐにノドが痛くなる。
歌を連続で歌うとすぐにノドが痛くなる。
人ごみの中で大声を出しても相手に聞こえない。
これらはどれも発声の仕方が間違っているために起きる現象です。
一人で2時間、3時間連続で歌を歌っても、ノドが痛くならないのが正しい発声方法です。
声帯のコントロールを教えずに、声を出す練習をさせるボイストレーニングは残念ながら正しいボイストレーニングだと言うことはできません。
クラシックやオペラに代表されるような共鳴させる方式のボイストレーニングは、日本語ネイティブの発声の仕方を知らない外国人が開発したトレーニング方法であって、日本語ネイティブのためのトレーニングではありません。世界の中の小さな小さな国である日本の人たちが、どういう発声の仕方をしているかなんて誰も気にしたことはないのでしょう。
共鳴法は悪いことではありません。それなりに効果はありますが、おおもとになる声の出し方(声帯のコントロール)を教えずに共鳴法だけ教えるボイストレーニングは、日本語ネイティブのためのトレーニングと言うことはできません。
アメリカのSLS (Speech Level Singing)は超大物歌手も通うボイストレーニングとして有名です。彼らは“話すように歌え”と教えています。アメリカ人にとっては話すように歌うことが重要です。でも日本人が話すように歌ったら、音につながりがなくて歌になりません。それ以前に喉を痛めてしまいます。SLSは日本語ネイティブにとっては間違った方法なのです。
もう一つ日本のボイストレーニングの良くない点は、感覚で教える先生が多いことです。理論ではなく感覚で教える人やノリの良い先生がいたりします。ボイストレーニングはもっと知的なトレーニングであって欲しいものです。
YouTubeなどを見ていると欧米に留学とかしていて英語をマスターした人たちが投稿した動画があります。
彼らの言っていることはほとんどが間違いです。
日本語は声帯を閉じて音を切って発音するが英語は違う。音は切らない。
ここまでは正しいです。
音を切らずに声を出すためには声帯を開きなさいと。ここが大きな間違いです。
全く分かっていないです。
声帯を閉じないと声は出ません。ただ、日本語のように強く閉じるとダメ。軽く閉じることで外人のような響く声が出せるようになります。